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八坂の四季: 早春  
執筆者: 気性世報子
発行日付: 2004/7/18
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八坂の春は、川伝いに上ってくる。雪を頂くアルプスの山々から吹き降ろす早春賦に詠われたあの風も、山や谷にさえぎられ直に肌を刺すことない。乾いた南風が強い日には、山火事が心配だが、花粉症の人に取ってはまことに憂鬱な季節である。

杉ばかり植えすぎた。などと今になって言う人もあるが、植えっぱなしで手入れもされなかった杉の木にしてみれば、いい迷惑である。好きでこんなところに来たのではない、せめていい場所で子孫が繁栄することを願って、これでもかと花粉を飛ばすのかもしれない。植物も、自らの居場所を求めて移動していくのである。

人は木よりも自由に移動できる、だが必ずしも暮らしやすい場所を選ぶとは限らない。ここで暮らしたいという気持ちで、環境を造りかえていくのだ。

(気性世報子)
 
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